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愛媛県のショウジョウバエ

ここでは愛媛県に生息する代表的な
18種のショウジョウバエを写真で紹介しています。

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D. melanogaster キイロショウジョウバエ

D. melanogaster

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 代表的な人家性ショウジョウバエ。世界中に分布しています。愛媛県でも人家の周りで採集されます。夏には場所によって優占種となることがあります。くだものなどがあれば家の中にも侵入してきます。雄の前足に10本ほどの性櫛があるのがキイロショウジョウバエとオナジショウジョウバエの特徴です。雌雄のパルプス(小顎鬚)の先端に複数の剛毛が生えていることでキハダショウジョウバエなどと区別できます。(オナジショウジョウバエの項を参照。)
グループC、キイロショウジョウバエ種群、キイロショウジョウバエ種亜群。

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D. simulans オナジショウジョウバエ

D. simlans

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 キイロショウジョウバエの近縁種。小笠原を除く日本には、1972年以降侵入種として分布を広げています。愛媛県では秋に優占種として、たくさん採集されます。近縁種のキイロショウジョウバエより複眼が大きい(写真右上)。雄では外部生殖器に半円形の突起(写真右下)があり、キイロショウジョウバエと区別できます。雌の産卵導管は、色が濃くて尖っているので、詳しく調べればキイロショウジョウバエと区別できます(写真左下)。
グループC、キイロショウジョウバエ種群、キイロショウジョウバエ種亜群。
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D. lutescens キハダショウジョウバエ

D. lutescens

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 人家近くから、自然林まで幅広く分布しています。近縁種で南方系のタカハシショウジョウバエとは、南北で住み分けをしています。愛媛県では、秋から初冬にかけての優占種。オナジショウジョウバエよりもさらに複眼が大きい(写真上)。雌雄のパルプスの先端に一本の太い剛毛が生えています。雄の性櫛は小さく、少数の歯からできています。雌の腹部先端はキイロショウジョウバエのようには黒くない。初冬のものは体色全体が黒くなります。
グループC、キイロショウジョウバエ種群、キハダショウジョウバエ種亜群。
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D. immigrans オオショウジョウバエ

D. immigrans

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 人家近くから、自然林まで幅広く分布しています。愛媛県では、晩秋から初冬、春先にかけての優占種。体は大型、体色は黄褐色で、雄の性櫛はありません。雌雄の前足の内側に短くて太い毛が一列に並んでいます。腹部の背中側の黒色帯は中央で切れていて、腹部の先端には一対の黒い三角形の斑紋があります(写真右下)。なかなか分かりにくいですが、羽の横脈が黒く曇っています。

グループD、オオショウジョウバエ種群。
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D. albomicans アカショウジョウバエ

D. albomicans

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人家近くから、果樹園など幅広く分布しています。南方系のショウジョウバエで、西日本では、1980年代に侵入種として分布を広げています。愛媛県では晩夏から秋にかけての優占種。体は大型、体色はオレンジ色で、雄の性櫛はありません。雌雄の前足の内側に短くて太い毛が一列に並んでいます。雄では胸部の側板に濃い茶色のスジがあり、額が光線の加減で銀色に光ります(写真)。
グループD、オオショウジョウバエ種群。

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D. hydei カスリショウジョウバエ

D. hydei

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 世界各地の人家近くから、畑などに分布する典型的な人家性種。愛媛県では晩春から初夏にかけて農家の庭先などでは多く採集されます。場合によっては屋内で採集されることもあります。腹部の背中側の黒色帯は中央で切れていて、雄の性櫛はありません。体は大型で、胸部の背中は灰褐色で斑点があります(写真)。
グループD、マダラショウジョウバエ種群。
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Sca. coracina クロツヤショウジョウバエ

Sca. coracina

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 日本各地に分布しています。小型で黒色、光沢のあるショウジョウバエです。樹液を好むショウジョウバエとして知られていますが、バナナトラップで採集されるショウジョウバエとしては原始的なグループに属します。胸部背板後方に前小楯板剛毛という剛毛が一対生えています。雌雄のパルプスの先端に複数の剛毛が生えています。
グループA。

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D. busckii ヒョウモンショウジョウバエ

D.  busckii

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 世界各地の人家近くから、畑などに分布する典型的な人家性種。愛媛県では晩春から秋にかけて採集されます。分かりにくいですが、複眼の長軸が体に対して斜になっているのがこの種の大きな特徴になっています。胸部の背中側に5本の黒い線があり、中央の1本は後方で二つに別れています。胸部の側板にも黒い線があります。腹部の各体節にも黒い斑点があり、これらの模様が和名の由来になっています。
グループB。

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D. suzukii オウトウショウジョウバエ

D. suzukii

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 人家近くから、自然林まで幅広く分布しています。未成熟のサクランボの実に産卵するので、唯一害虫に指定されています。雌雄のパルプスの先端に一本の太い剛毛が生えています。雄の翅の先端前縁に三角形の黒い斑紋があります(写真)。雌の腹部先端にある導卵突起は大きくて尖っています(写真)。
グループC、キイロショウジョウバエ種群、オウトウショウジョウバエ種亜群。

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D. pulchrella ニセオウトウショウジョウバエ

D. pulchrella

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 オウトウショウジョウバエの近縁種。バナナトラップでは一緒に採集されることもあります。雄では翅の先端前縁に紡錘型の黒い斑紋があり、性櫛の形と共にこの形質で、オウトウショウジョウバエと区別することができます。雌では導卵突起の形で区別できますが、低倍率の実体顕微鏡では区別が難しい。オウトウショウジョウバエよりは、やや体は小さい傾向があります。
グループC、キイロショウジョウバエ種群、オウトウショウジョウバエ種亜群。

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D. takahashii タカハシショウジョウバエ

D. takahashii

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 キハダショウジョウバエの近縁種。雌では専門家でも区別できないくらい似ています。雄では外部生殖器で区別できるが、低倍率の実体顕微鏡では区別が難しい。実験室での飼育では、キハダショウジョウバエより、やや体が小さい傾向があります。従来は四国では高知県でのみ報告されていましたが、最近は宇和島市でもキハダショウジョウバエと一緒に採集されることがあります。
グループC、キイロショウジョウバエ種群、キハダショウジョウバエ種亜群。

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D. ficusphila イチジクショウジョウバエ

D. ficusphila

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 人家近くから、自然林まで幅広く分布しています。日本の関東以南から中国、インドに分布しています。中型、黄褐色で、オナジショウジョウバエよりもさらに複眼が大きく、雌雄のパルプスの先端に一本の太い剛毛が生えています。雄の腹部は黒い。雄の性櫛は大きく、2段になっており、櫛の中間に数本の長剛毛が散在します。
グループC、キイロショウジョウバエ種群、イチジクショウジョウバエ種亜群。

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D. auraria カオジロショウジョウバエ

D. auraria

もっと詳しくA  B
 日本にはこのショウジョウバエの近縁種が他に3種います。野原や森林、山地などに住み分けていますが、分類するには専門的な知識と高倍率の実体顕微鏡が必要です。中型、細身の黄褐色で、オナジショウジョウバエよりもさらに複眼が大きく、雌雄のパルプスの先端に一本の太い剛毛が生えています。雄の複眼の間が白色になっているのが、名前の由来です。雄の性櫛は大きく、2段になっており、肉眼でも分かるほどです。
グループC、キイロショウジョウバエ種群、トラフショウジョウバエ種亜群。

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D. rufa ムナスジショウジョウバエ

D. rufa

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 北海道から九州にいたる日本各地に分布しています。南西諸島には別の近縁種が生息しています。中型、細身の黄褐色で、カオジロショウジョウバエに似ていますが、雄の複眼の間が白色になっていません。雄の性櫛は大きく、カオジロショウジョウバエと同じように2段になっています。雌雄共に胸部の側面に黒いはっきりした線が1本あります。
グループC、キイロショウジョウバエ種群、トラフショウジョウバエ種亜群。

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D. daruma ダルマショウジョウバエ

D. daruma

もっと詳しくA  B
 日本や東南アジア、インドまで分布し、池や流れのゆるい川の岸辺を生息場所としています。暗褐色のやや大きめのショウジョウバエで、雄の性櫛はありません。成熟した雌を背中側から見た姿がだるま形なので、この名前がつきました。雌雄のパルプスの先端にたくさんの剛毛が生えていることがこの種類の特徴です。
グループD、ダルマショウジョウバエ種群。

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D. subtilis スズバネショウジョウバエ

D. subtilis

もっと詳しくA  B
 日本各地に分布しています。中型で黒色のショウジョウバエです。樹液を好むショウジョウバエとして知られていますが、クロツヤショウジョウバエのように前小楯板剛毛は生えていません。雄の性櫛はありません。雌雄のパルプスの先端に複数の剛毛が生えています。翅は少し暗色で、先端が尖っています。
グループA。

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D. tsukubaensis ツクバショウジョウバエ

D. tsukubaensis

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 日本と中国に分布しますが、日本でも関東地方と中部地方でしか記録がありませんでした。最近私たちの研究室で、3月末から4月初めのわずかな期間に、愛媛県砥部町で採集されることを発見しました。中型黒色のショウジョウバエです。雄の性櫛は10本前後の歯が2段になって生えています。夏に石鎚山などで採集される近縁種のフタスジショウジョウバエよりはやや小さいですが、この2種を分類するには専門的な知識が必要です。
グループC、ウスグロショウジョウバエ種群。

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D. curviceps マキオショウジョウバエ

D. curviceps

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 日本各地に分布していますが、愛媛県の平地では春先に採集されます。体は大型、体色は赤褐色で、雄の性櫛はありません。雌雄の前足の内側に短くて太い毛が一列に並んでいます。腹部の背中側の黒色帯は胸部に近い1、2本のみが中央でわずかに切れていて、雄では腹部の側面は肉眼では一面黒色になっています。
グループD、オオショウジョウバエ種群。

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愛媛県のショウジョウバエ Drosophila in Ehime, Japan