植物生理学研究室について

環境の変化と植物の生理応答

本研究室では乾燥、温度変化、高塩濃度、重金属などの環境変化(環境ストレス)に対する植物の応答について、糖代謝機構、抗酸化物質、キレータ―、遺伝子発現の変化などに注目して基礎研究を行なっています。詳しい内容については「研究」を御覧下さい。

植物は常に温度の変化、乾燥や冠水など水条件の変化、光条件の変化、塩や重金属などの影響など様々な環境の変化、環境ストレスにされされています。植物は移動ができないため、この様は環境ストレスから逃げることができません。しかしながら、植物は厳しい環境から自分の体を守る手段を進化させてきました。環境ストレスにさらされた植物は、抗酸化物質や金属イオンをキレートする物質の蓄積、糖やヌクレオチドの代謝の変化、浸透圧調節物質の蓄積、細胞保護タンパク質の合成などを行います。また、様々な遺伝子の発現量が変化します。私たちは、これらの変化を調べることにより、植物が厳しい環境に適応する仕組みを明らかにしています。


植物生理学で人類の未来を切り開く!

現在の地球では温暖化や砂漠化、汚染物質の放出による環境の悪化が問題となっています。また近い将来、環境の悪化による食糧生産量の低下や、人口の増加により食料不足が生じることも懸念されています。このような問題の解決には植物の力が必要になりますが、一方で環境の悪化は植物の活性の低下を引き起こします。植物の活性が低下すると、更に環境の悪化をまねく負のスパイラルに突入し、急激に砂漠化が進行する恐れがあります。このような事態をまねかないために、また植物を利用した環境保全、食糧増産が効率的に行えるように、植物の環境変化に対する応答と環境ストレス耐性獲得機構の解明を進めて行きたいと思います。
ページのトップへ戻る