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佐藤康教授

植物は自由に移動することができないため、その場の環境に柔軟に応答しながら、成長し生存しています。植物の成長(形態形成)と環境への柔軟な対応(環境応答)には様々な物質が関わっています。

私たちの研究室では、植物の形態形成と環境応答に関わる物質に注目し、そこから植物の形態形成や環境応答の仕組みの解明を進めています。

維管束植物は、水中の藻類から陸上への進化の過程で、陸上に適応し生存するための仕組みである維管束や、陸上での生存を可能にするための物質を獲得してきました。

それらの物質の一つに木化物質のリグニンがあります。リグニンにより細胞壁が強化され陸上で重力に耐えることができるようになり、また木部の道管・仮道管が強化され水の輸送が可能になります。

また、様々なストレスによってもリグニンが形成され、防御に働きます。維管束植物の生存に重要な役割を果たすリグニンの機能や、小胞体ストレス等の様々なストレスとリグニン形成の関係について解明を進めています。

Fig. 2
シロイヌナズナの花茎の断面のリグニン染色(赤色部分)

N-アセチルグルコサミンは、タンパク質に結合する糖鎖の成分になる等、生物にとって様々な重要な役割を担うアミノ糖です。

私たちは、N-アセチルグルコサミンやそれに関連した物質が、植物において、どのような特有の機能を果たしているのかの解明を進めています。

また、N-アセチルグルコサミンが植物の体内と体外でどのように移動し機能しているのか、また、植物による外界のN-アセチルグルコサミンの効率的利用等についても研究を進めています。

Fig. 3
N-アセチルグルコサミンの構造式